人間指向設計の研究例

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睡眠段階推定法

 レム睡眠やノンレム睡眠など,睡眠段階を推定することで,睡眠の深さを定量的に評価することができます.しかし,睡眠段階を正確に推定することができるPSG法は,頭や顔にいくつもの電球をつけて寝なければならないため,患者の身体的負担が大きく,質のよい睡眠を妨げてしまいます.また,複数の医師・専門技師による解析を要することから経済的な負担がかかるという問題点があります. そこで,当研究室では,マットレスセンサーを用いて,非侵襲的に睡眠段階を精度よく推定するための研究を行っています.

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高齢者毎にあわせる介護支援

 当研究室では、高齢化社会における介護支援に焦点を当て、右図に示すような介護の質を向上させるケアサポートシステムを構築しています.具体的には、高齢者毎に適切なライフスタイルを設計するケアプラン設計エージェント、高齢者の健康データ(体温や血圧など)から健康状態を能動的に推定し、個々の健康状態に応じた介護を支援する健康モニタリングエージェント、介護データから有用な知識を介護士間で共有させる介護士育成支援エージェントに取り組んでいます.その一例として、非接触で高齢者の心拍データを取得した後、そのデータから睡眠段階を推定する技術を考案し、実際の介護施設への導入をすすめています.

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教育エージェント

 AIBOやPLEOなど,従来の1ユーザに適応するエージェントとは対照的に,集団に適応するエージェントの設計を探求する研究を行っています.集団は1個人に比べ,個人の集まりからもたらされる複雑な特徴があることから,それに適応するエージェントのモデル化が非常に難しいとされています. 上記の目的を解決するため,実世界の集団をモデル化しやすい異文化体験ゲームバルンガの被験者実験を行い,その模様を観察することで,不明確である集団適応状態を定義します.その後,実験の結果から集団に適応するエージェントをモデル化し,コンピュータシミュレーションによりそのモデルの効果を検証します.シミュレーションにより,(i)集団には他人の意見を考慮するリーダーが必要であり,(ii)集団がまとまるためには,リーダーに加え,意見を積極的に言うエージェント,周りに意見をあわせるエージェントの3種類のバランスが重要である,という知見が得られました.

 嘘か真か ~集団における正しい意見共有を目指して~ 齋藤 嶺

 現代の高度情報社会において,誤報による情報錯綜が多く見られます. 皆さんも覚えておられるでしょう3.11東日本大震災においては多くのデマやチェーンメールが錯綜しました.デマやチェーンメールなど様々な情報(誤報)が錯綜する中では,情報の信頼性が担保されているわけではないため,真実の情報を判断することが非常に困難です.このことから,私は誤報から真実を導き出すような技術の開発が人々の安全にとって急務であると考えています. 様々な情報が錯綜する中で,集団が正しく情報を共有できるかどうかをモデル化した問題に「意見共有問題」があります.私はこの意見共有問題を課題とし誤報に強いネットワーク構築手法・情報共有手法の提案とシミュレーション検証を行っています.

 時間軸を考慮したエージェントにおける知識の一般化 八町康世

 近年,社会科学の1つのアプローチである社会シミュレーションを用いて現代の複雑な社会現象の理解を深める研究が盛んになっている.しかし,これらの研究は表面的な現象(マクロレベル)の理解に留まっており,人間の考え方や知識の持ち方など内部(ミクロレベル)まで適切にモデル化できておらず,社会シミュレーションによる社会現象の理解に限界がある.このような背景から,本研究では社会シミュレーションによる人間の挙動再現性について,より人間らしいモデル化を実現するエージェントモデルを考案し,その有効性を検証することを目的とする.具体的には知識の時間軸に関しての一般化手法を提案し,その有効性を交渉の例題として広く用いられているバーゲニングゲームを通して示すことを目的とする.特に,知識を一般化するには(1)どの知識を一般化するのか,および(2)いつ知識をマージするのかという観点が必要であるため,(1)情報エントロピーを活用して一般化の対象となる知識を決定し,(2)誤差の概念を利用して一般化するタイミングを計ることによって知識一般化を実現する.この手法の有効性をバーゲニングの例を通して検証したところ,次の知見を得た: (1)エントロピーの概念を利用せずに知識選んだ場合,組み合わせによっては人間の挙動再現性が損なわれるが,エントロピーの概念を利用して一般化する知識を選ぶことにより,適切な一般化が成され人間の挙動再現性を維持した.(2)誤差の概念を利用せずに,学習初期の不安定な知識を一般化すると人間の挙動再現性は損なわれるが,誤差の概念の導入によって知識の一般化時期を適切に計ることが出来る
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 入りたくなるSNSを目指せ 荒木聡

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 【Six Degrees of Separations】というものをご存じだろうか?「6人の友人を辿ると世界中の人とつながる」というStanley Milgramさんの仮説から私たちの身近にある友人関係や 社会関係とは、どの様につながっているのだろう?という興味・関心を持ちました。複雑な人間関係のスパゲッティ化 をひも解き、そこから見える現象から、コミュニケーションをより最適化する事は出来ないだろうか?社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービスであるSNSやコミュニティサイトでの問題解決と、 新しいネットワークを構築を目指す研究を行っています。

 

 集団に適応するエージェントモデリング ー異文化体験ゲームバルンガを例にしてー 牛田裕也

 本研究は、AIBOやPLEOなど、従来の1ユーザに適応するエージェントとは対照的 に集団に適応するエージェントの設計を探求する。集団は1個人に比べ、個人の集 まりからもたらされる複雑な特徴があることから、それに適応するエージェント のモデル化が非常に難しい。上記の目的を解決するため、本研究では、実世界の 集団をモデル化しやすい異文化体験ゲームバルンガの被験者実験を行い、その模 様を観察することで、不明確である集団適応状態を定義する。その後、実験の結 果から集団に適応するエージェントをモデル化し、コンピュータシミュレーショ ンによりそのモデルの効果を検証する。シミュレーションにより、(i)集団には他人の意見を考慮するリーダーが必要であり、 (ii)集団がまとまるためには、リーダーに加え、意見を積極的に言うエージェント、 周りに意見をあわせるエージェントの3種類のバランスが重要である、という知見が得られた。
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 コンピュータエージェントによるシンボル獲得ーロボットと話そう 井上智代

 近年, AIBOに代表されるように人間と人工物(ロボットなど)との豊かなコミュニケーションが求められています.しかし, 言葉をやり取りする場合, 現在の人工物ではあらかじめ人間が教えた言葉以外でコミュニケーションすることに限界があり,真の意味でのコミュニケーションはできません.この問題に対して私の研究では, プログラム上の人工物(エージェント)の名詞と形容詞生成理解の研究しています.
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